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とくま三部作 感想編

先に投稿した「とくま三部作」の感想です。
最初、感想を併行していたのですが、深刻なネタバレをしそうなので、記述を分けました。
このあたり、このブログを書いていて読者を意識しているのか意識していないのかよくわからない分裂的な感覚を自分も受けます(笑
内容的にはあまりにも読者を意識していないのですけどね。形式的にはどうしても、というところがなんとも。。。

 

とくまでやる 著:清涼院流水 徳間デュアル文庫

一日2Pという形式で9/3~12/12までの物語を描く、という、清涼院流水らしい表現で構成されています。
厳密には終始特定の日の回想で描かれる日もあり、一日2Pと言い切れない部分もありますが、
2Pごとに主要登場人物の視点が切り替わりながら進んでいく物語は、非常にテンポがよくて読みやすかったです。
一部、若者言葉がセリフ、平文を問わず登場していることは、出版レーベルの影響のみならず若者を主役としている上での著者のスタイルなのだろうけど、どうも違和感を感じてしまいました。
まぁ、私も今や今時の若者ではないということなのか、そもそも今時の若者であった時期がなかったのか(笑

物語は毎日殺人事件が起こる、というもの。
このあたりの風呂敷のひろげっぷりはコズミックを読んで以来この人の魅力の一つですが、事件の面白さ、という意味では私的にミステリーを志向したコズミックなどの方が面白かったと思います。
とはいえ、私的にはとくまシリーズは青春活劇な訳で、その意味では遊び心もあり十分楽しめました。
ただ、青春活劇としても事件の動機など今ひとつ腑に落ちない点が残ったのは残念かなぁ。

 

 

とくまつ 夜霧邸事件 著:清涼院流水 徳間デュアル文庫

「とくまでやる」の続編。
時間的には「とくまでやる」エピローグからそのまま物語が始まっていて、「とく。」のオープニングで終わる、というように完全に連続性があります。
とはいえ、「とくまでやる」と「とくまつ」は一日2P進行というスタイルから、夜霧邸事件の3時間半を秒単位で追いかけるというスタイルに。
このスタイル変更が著者が「とく。」の巻末で述べている一冊完結の印象を「とくまでやる」に与えていたことに対して、「とくまつ」と「とく。」はスタイルでも似ている印象を受けたので、連作、のような印象を与えていたのではないかな、と思います。
秒単位と言っても、2Pで描かれている内容が1秒で発生する訳でもなく、また、2Pごとに進行する時間もそれぞれバラバラなので、スタイルとしては「とくまでやる」の方が面白かったかな、と。

物語の方は、「とくまでやる」の終盤でかいま見た世界観が本格的に描かれ始めて、盛り上がりをみせてきます。
「とくまつ」の風呂敷(笑)は一晩で1000人殺人。
「人がゴミのようだ」という名言(笑)がありますが、半ば人が数字として処理されてしまっていたのは残念だったり。
ここらへんの感覚はカーニバルなんかを忘れかけている面もあるので、仕方がない面もあるのかもしれませんが、著者が巻末で述べているパラメータとしての死者数だったとしても、それが1000人に意味があるのであって、1000に至るまでx人と死者があまり意味をなしていないような・・・

なんて思いながら読み返してみると、屋敷の構造や状況などからかなり死者の数はコントロールされていたことがうかがえますね。
主人公たちへ迫る危機の指標としては効果的であったのは確かかも知れません。
殺し方(武器)がほとんど一緒なので個別の死者の数の強引さを感じたのかと。

 

とく。(とくまる) 著:清涼院流水 徳間デュアル文庫

この作品から、正確には「とくまつ」の終盤から、一般的な世界から超人の世界に世界観がシフトしてくるので、少し戸惑いを覚えました。
実際には最初から超人は登場していたのでしょうけど、明確に超人な敵役が登場したり、主人公が超人化したりとするので、違和感を覚えてしまったのでしょう。
ここらへんの感覚は不思議なもので、人間の内的宇宙というか内的な能力(知識など)に関してはある程度人間離れしていてもすんなり受け入れられるのですが、物理的な能力(筋力など)で人間離れした能力を発揮されると途端に現実離れして感じてしまう、というのは面白いものです。

風呂敷は町の住民10,000人が敵、というものなので、現実的に考えると風呂敷が広がっているはずが、世界観がシフトすることで逆に綺麗に風呂敷がたたまれる、というのは面白いです。
ここらへんはそれをやったら何でもありと言うのか、巧くたたんだと言うのか。

作品自体も青春ものから、バトルものへと変化していて、そういう意味ではなかなか面白かったのではないかな、と。
そんななかで一般人である新悟が死んでしまうのは仕方がないといっても、残念な気がしてならないです。
超常的なバトルものの中の貧弱な一般人キャラって好きなんですよね(笑
ジャンプで言うと、ウソップが強くなりすぎて残念でなりません(ぉ

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